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成人してからアスペルガー症候群と診断された娘。 全般的発達障碍+重度知的障碍の二男。 子ども達との生活は、山あり谷あり。 今日という日をしっかり生きて、明日に繋がるように 祈り続けたい・・・
2024/04月
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深夜1時・・・

突然の電話のベルに、私は目が覚めました。


「 なに?」

驚いて、身体を起こすと、すぐにベル音は 鳴り止みました。


「こんな夜中に間違い電話?」

ふと、隣に目をやると、娘の姿がありません。


「 えっ?うそ⁉︎」

私は、慌てて、主人を起こしました。


さっきまで、私の隣にいたはずの娘の姿はどこにもありません。

時計を見ると、娘がいた時間から、10分くらいしか経っていませんでした。



娘は、私が ちょっとウトウトした間に、家を出て行ってしまったのでした。

まだ、そんな遠くには行っていないはず。

電車もバスも、動いていないし、一体 どこに行ったのだろう。


もしかしたら、さっきの電話は、何かの連絡だったのかもしれない。

そう思った私は、その電話番号に かけ直してみました。



「 もしもし。」

「はい。消防署です。」

「えっ? 消防署ですか?」

娘は、近くの消防署に駆け込んだのでした。



様子を尋ねると、泣いて 混乱しているとの事。

私たちは、すぐに二男を連れて、歩いて 娘を迎えに行ったのでした。




その日、娘は 退院したばかりでした。

朝、二男を施設のバスに乗せた後、私は、娘の病院に向かい、

大学病院への紹介状と薬を貰い、退院の手続きを済ませたばかりでした。



その足で、娘と駅に出て買い物をしていると、病院から電話があり、

薬を渡し忘れたので取りに来るように指示があり、

再び、退院したばかりの病院へと向かったのでした。


そして、薬を貰い帰宅したのでしたが、パスタが食べたいと言うので、

夕方 パスタを食べに外出し、その後、買い物などして、夜遅く帰ったのでした。



それからは、布団に入っても 眠れないと言い出して・・・

「進路どうしよう」「ベースが弾きたい」「これから何をしようか」

などと考えて、混乱し始めたので、

「今日は、退院したばかりだから、明日また考えようよ!」

と私は声をかけ、添い寝をして話をずっと聞いていたのでしたが、

ちょっと、ウトウトした間に、娘は出て行ってしまったのでした。




消防署に着くと、5、6人の消防士さんが、娘を囲んでいて、

娘の話を聞いて下さっていました。


娘は、消防署の玄関外のインターフォンを押したとの事。

消防士さんに話を聞いて貰ったせいか、すでに泣き止んで、

落ち着いていました。



私たちは、頭を下げてお礼を言い、娘を連れ帰ろうとしたところ、

二男は、初めての場所で興味が湧いたらしく、

あちこち歩き回って探検を始めてしまい、

深夜なのに、なかなか帰ろうとせず、呼んでいただいたタクシーが到着するまで

そうしていたのでした。


帰宅後、なんとか娘を寝かせ、私は、ようやくほっとしたのでした。





3日後、主人は、抗ガン剤第2クールの治療のため、再び 入院。

まだ不安定な娘と、二男と私の3人の生活が始まりました。



娘は、相変わらず、夜になると眠れないと言って、不安になり、

どんどん被害妄想に陥り、突然に、

「 親に殺されるから110番する!」 「 お母さんに殺される!」

と言い出して・・・

玄関を飛び出そうとしたり、警察に電話をかけようと興奮することが

多くなりました。


私は、主人のいない状況で、ひとりで娘の対応をすることに

限界を感じておりました。


玄関を飛び出そうとする娘を止めるため、玄関ドアに立ち塞がったり、

110番しようとする受話器やスマホを取り上げたり・・・


夜も眠れず、一日中、娘から目が離せない状況の中で、

どんどん追い込まれて行きました。





娘の対応に困り、大学病院の担当医に相談すると、

「入院は、ベッドに空きがないので先になる。今すぐなら、

先日退院した病院を紹介しましょう。」

と、紹介され、娘は、再び、1週間前まで入院していた病院に

再入院したのでした。




主治医は、「 戻ってくるのが、早すぎるよ!」と、娘に告げ、

私には、

「もう、在宅は無理ですね。 お母さん、今までよく頑張って来られましたね。」

と、おっしゃいました。


今まで、10年以上、同じ事を何度も繰り返してきただけに、

主治医の言葉を聞いて、私は思わず、泣きそうになってしまいました。



「これからは、在宅以外の道も考えて行きましょう。

在宅が無理だと入院は長くなりますよ。」


主治医の言葉に「 はい。」と、答えた私は、

ようやく、私たちの苦労が分かって貰えたのだと、

胸がいっぱいになったのでした。



そうして、娘は、再び、病院のベッドで過ごすことになり、

家族との面会も電話も禁止され、自分自身と向き合う生活が

始まったのでした。






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女性
自己紹介:
子ども三人の母です。
成人してからアスペルガー症候群と診断された娘と、全般的発達障碍+重度知的障碍の二男との暮らしは、山あり谷ありですが、楽しく暮らしています。

空を見上げて…☆ ( FC2ブログ )には、二男の記録を綴っています。

LITALICO(りたりこ)発達ナビのコラムに記事が掲載されています。

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