急速に回復し、退院して家で過ごしていた娘でしたが、
生活が順調とまではいかず、不安を抱えておりました。
日中は、好きな絵を書いたり、ネットで買い物をしたり、
軽い運動をしたりして割合に穏やかにしているのですが、
夜になると、だんだんと不安になって、
なかなか眠れない日が続いているのでした。
同じ頃、主人は風邪をひいて、咳き込んでいたのでしたが、
マスクをしない事や、咳き込んでいるのに病院に行こうとしない事に
腹を立て、娘は、主人と衝突をする事が多くなりました。
毎年、この時期は咳き込む風邪を引き、家族にいくら言われても、
マスクを着けず、挙げ句の果ては 家族に感染るという繰り返しを
している主人でしたが、さすがに、今回は、娘が怒るので 仕方なく
マスクをしてくれていたのでしたが・・・。
本来の娘であれば、多少のことは赦せる心を持っています。
今までは、マスクをしない主人のことも赦せていました。
けれども、今は、家族のことも、些細なことも、
赦すことが難しくなっているようなのです。
とても小さなことにまで、心を痛めて、どんどん不安になって
様々な症状が出てしまうのです。
明け方、娘と主人の言い合う声で 私は目を覚ましました。
玄関から出ようとする娘の手を、主人が引っ張って止めようとしていました。
パーキンソン病で手足に力の入らない主人では、娘を止める事は出来ません。
私は、力づくで娘を部屋まで押し戻し、娘の話を聞きました。
深夜3時過ぎまで、眠れないからと 私の隣の布団で
iPad を見ていた娘は、主人の咳が止まらないのを心配して、
病院に行くようにと話したようでしたが、
一向に娘の話を聞こうとしない主人に、腹を立てたようでした。
「 こんなに心配して、病院に行ってと言ってるのに、
聞いてくれないから、もう一緒に暮らせない!出て行く!」
私が 引き止めると、娘は、そのままキッチンに行き、
「死んでやる!」と言って、置いてあったケーキサーバーで、
自分の脇腹を刺そうとし始めました。
私は、必死で引き止め、ケーキサーバーを取り上げ、
なんとか、布団に押し込んだのでしたが、
娘は、「あー!あー!」と、大声で叫び続け、
何度も出て行こうと試みました。
それを、力づくで引き止めて…。
「 パパには、今日 病院に行って貰うから!」と、娘に伝えて、
納得させて…やっと、娘は、朝になって眠りについたのでした。
主人は、ようやく病院に行き、咳止め薬を貰ったのでしたが、
それでも、咳は止まらず、その後もずっと咳き込んでいるのでした。
その後の外来診察の際に、娘の話を聞いた主治医からは、
「 家を出たらいけない。出たら、また入院になるよ!
当てもなく出るのは、いけないよ。」
と、優しく言われたのでしたが・・・。
その帰り道、ずっと、「主治医に怒られた。自分はダメなんだ。」と、
娘は、落ち込んで悩んでいる様子でした。
そして、途中で立ち寄った薬局で、「疲れた。」と言って座り込むと、
そのまま後ろに倒れてしまいました。
目はうつろ、意識朦朧としていて、いくら呼びかけても反応せず、
薬局のフロアーで、15分くらい 倒れていました。
そのうちに、呼びかけに目を覚ましたのでしたが、ふらふらで
やっとの事で、帰宅したのでした。
その夜、眠れないからと増やして貰った眠剤を飲みましたが、
深夜になっても眠れずに、そのうちに全身をバタバタ揺らして興奮し、
「あー!あー!」と叫び続け、解離症状も出たのでした。
1週間毎に 外来診察でしたが、やはり、主治医の言葉を気にして、
深夜になると興奮して叫び続けるので、家族も眠れない日が続いていました。
あまりに続くので、様子を見て入院しましょうと、
主治医は、入院の予約をしたのでしたが・・・。
その夜、家にいない長男の姿が15人くらい見えると言い出して、
長男が「うるさい!」と言う声が聞こえてくると、幻覚や幻聴が出て、
解離も起こり始めました。
「自分はダメなんだ!死んでやる!出て行く!」と興奮するのを
主人とふたりで 娘を押さえつけて、止めていたのでした。
すると娘は、今度は 自分の腕を爪で引っ搔き始めて、
大きな線の赤い傷をつけてしまったのでした。
入院予約の日まで もう待てない…
事故が起きてからでは遅いのだ…
今の私たちでは、娘に何もしてやれない…
私たちは、そう感じ始めていました。
翌朝、主治医に電話をかけて相談をしました。
「お母さん、もう在宅は無理ですね。
分かりました。すぐに来てください。
入院して、生活に慣れて貰ったら、将来的には、
入所も視野に入れて行きましょう。」
主治医の勧めで、こうして、娘は、退院して1ヶ月後に、
再入院となったのでした。
私は、娘を入院させても、もやもやしたものが消えませんでした。
これで、良かったのだろうか…
娘にとって、正しい選択だったのだろうか…
もっと守ってやらなければ いけなかったのではないだろうか…
いろいろな思いが押し寄せてきて、気持ちが晴れませんでした。
主人とも、こうするしかなかったのだと話をしましたが、
罪悪感が消えませんでした。
私は、ふと ツイッターの友人たちに呟きました。
すると・・・
私の呟きに気づいて下さった方が、こう返信して下さったのです。
「悩み悩んで出した答えはその時の最善だと信じることだと思います。
悩みはエネルギーを奪うから、無駄に消費させるのではなく、
次に備えてパワーを充電させる時間に。
それを選べば別の問題にぶつかるかもしれないけど、どちらもどちら。
選んだものが最善。応援しています。」
大好きなスーパーブロガーさんのお言葉でした。
娘を守ってやれなかったのではないか、
もっと、他の方法があったのではないか…
そんな もやもやしていた私の気持ちを、スパッと切り離して下さいました。
選んだものが最善!
このお言葉は、とても有難く、本当に嬉しかったのです。
エネルギーを無駄に消費させるのではなく、
次に備えて、パワーを充電。
頂いたお言葉が、心に沁みて、有難くて、本当に救われました。
もやもやが晴れて、とても、楽になったのでした。
私は、主人にもすぐに このお言葉を伝えました。
主人も、喜んでくれました。
選んだ道が正しかったかどうかは、今でも分かりません。
けれども、あの時は、そうするしかなかった。
答えは、ひとつしか無かった。
私は、誰かに、それで良かったんだよ!と、
言って貰いたかったのかもしれません。
ひとつの言葉が、命を救う…
温かいお気持ちから出たお言葉の素晴らしさに、心が震え、
それまでの沈んでいた気持ちを引き上げて貰い、
次に備えて前進する勇気を頂きました。
とてもとても、感謝をしています。
私が、優しいお言葉で救われたように、
私も、娘に言葉を伝えよう!
たとえ、こちらの気持ちが うまく伝わらなくても、
伝えよう! 伝え続けて行こう!
選んだ道が最善だったと信じて、
次の備えが しっかり出来るように、パワーを充電させて
これからも、娘とともに歩んでいきたいと、感謝をしたのでした。
ご訪問ありがとうございました。
応援クリックが、とても励みになります。
どうぞ よろしくお願い致します。
にほんブログ村
にほんブログ村
人気ブログランキングへ
PR